大阪は自転車利用率が圧倒的に高い”チャリンコシティ”である

大阪の未来構想

大阪市内にいると、チャリンコに乗っている人をよく見かける。

定年後に暇しているおっちゃんや買い物途中の主婦、営業先に向かっているサラリーマンなど様々である。

特にスーツをびしっと着こなしているサラリーマンが安物の銀色のママチャリに乗っている姿はなかなか滑稽だった。

 

さて、体感的には大阪は自転車が多いなあと思っていたが、実際はどうなのだろうか?

少し前に国土交通省の調査で市町村別の交通手段利用率が出ているのを発見したので、まとめてみたいと思う。

なおデータは平成22年(2010年)のものだが、今とそれほど違いはないはずだ。

 

圧倒的な自転車使用率…大阪27.6%

国内都市別 自転車使用率(平日)

国内の約70都市での自転車使用率を表したグラフであり、黄色いグラフが大阪市で、赤色が東京23区と名古屋市である。

これではさすがに見ずらいので、主要都市をピックアップして拡大した下のグラフを見てほしい。

 

主要都市別 自転車使用率(平日)

大阪(黄色)は自転車使用率27.6%と他都市に比べて圧倒的に高い。

自転車使用率は、東京23区16.3%、名古屋市15.5%、京都市18.2%であるなど、そもそも他の都市は20%にすら到達していない。

さらに利用する交通手段(鉄道や自家用車、自転車など)で区分けしてみてみる。

 

利用交通手段の種類(平日)

上は鉄道やバス、自家用車、原付、自転車、徒歩その他などに分けた利用比率だ。

更に詳しく分析すると、東京大阪名古屋の三大都市圏では、自家用車では名古屋が42.9%であり圧倒的に高い。

愛知県がトヨタ自動車のおひざ元であることや、鉄道網が大阪東京ほど発達していないことなどが影響しているのだろう。

 

また、東京と大阪の比較では、徒歩その他はどちらも約25%だが、大阪は東京より電車利用率が7%ほど低く、逆にチャリンコ率が10%ほど高い。

つまり東京は電車を使う傾向にあり、大阪は自転車を使う傾向にあることが分かる。

 

高い大阪の自転車率。考えられる理由は?

① 市内はほぼ平地

大阪府咲洲庁舎から見た大阪市内

ご存知の通り、大阪市内はほとんどが平地で目立った坂がない。

天王寺や鶴橋、森ノ宮など大阪環状線の南東側のエリアは上町大地があり、なだらかな坂となっているが、それ以外はホントに平べったい(笑)

自転車の敵は坂道であるから、平地が多い大阪市内では自転車はかなり使いやすい交通手段なのではないかと思われる。

 

② 都市がコンパクト

二つ目に挙げられるのは都市がコンパクトである点だ。

大阪市内であれば比較的安価に住めるマンションは多いし、勤め先まで電車で2、3駅ということもよくある。

勤め先や通学先の近さが自転車使用率の高さにつながったという考え方だ。

 

③ その上、自家用車がない

その上、地方都市と違うのは、大阪市内では自家用車を持っている世帯が少ないということだ。

車を持っていなければ、自転車か地下鉄を使うほかない。目的地までは数駅だから自転車で行こうという話だ。

※その他考えられる理由があれば、教えて下さい。

 

シャアサイクルのポテンシャルは十分ある

写真は都内で撮影したのでちょっと違います。あくまでイメージ

NTTドコモは2019年6月から大阪メトロと連携し、主要駅にシェアサイクルを導入し、実験的にサービスを行っている。

最近市内で赤色の小さな自転車をポツポツ見かけるようになったかもしれない。それがドコモの提供するシェアサイクルである。

 

1回150円(30分以内)で、1日利用は1389円、1か月の定期利用は使い放題で2000円(30分以内)とのこと。

高いのか安いのかよく分からないが、サービスのシステムをもう少し柔軟にすれば、シェアサイクルは大阪ではやる可能性はあると思う。

 

環境にも健康にも優しい

電車や自家用車で通勤するより、自転車で通勤した方が運動になるし、健康に良い。

また、CO2の排出量はゼロなので環境への負荷も軽減される。

その意味で自転車利用率が高い大阪は、環境にも健康にも優しいスーパーチャリンコシティなのかもしれない。

 

【参考】ツイッターもやってます

コメント

  1. ななし より:

    大阪は戦後いち早く復興した街なので、車社会の到来よりも前に街が完成してしまったのもあるでしょうね。