統合型リゾートIRの候補地3カ所はどこがベストだろうか?

IR(統合型リゾート)

筆者が住む大阪では、過去数年間ずっとIR(統合型リゾート)について議論が続いている。

統合型リゾートとは巨大な会議場や展示場、演劇場、カジノなどが一体となった施設のことであり、有名どころだとシンガポールのマリーナベイサンズが挙げられる。

 

大阪府や大阪市、維新の会はこのIRをMICEの拠点として活用したいと考えており、京都や奈良、瀬戸内といった観光地と連携し、世界的観光地に育てていきたいと考えているようだ。

ニュースを見る限り、大阪(夢洲)はほぼ確定だとみてよさそうだが、その他はどこが出馬するのだろうか?

 

なおIRは国内で3カ所しか認められないことが法律で定められている。

既に大阪や長崎、和歌山は誘致を表明しており、8月下旬には横浜が正式に誘致することを決定した。

現段階で少なくとも4地域が手をあげていることになり、その少ない椅子をめぐって各自治体が誘致合戦を繰り広げている。

 

筆者の理想とする地域は、大阪・北海道・長崎の3カ所

 上は筆者のツイート 

これは出身地によっても大きく異なるが、日本全国における地域的なバランスや、それぞれの特性を考えれば、大阪・北海道・長崎、この3カ所が理想的だと考えている。

以下でその理由を延べていこうと思う。

 

大阪(夢洲)・・・都市型IR

本当に何もない夢洲(読み:ゆめしま)

大阪は夢洲という巨大な人工島(約360haある)を候補地としており、無人島という特性を活かして、フォーミュラE(電気自動車のF1)を開催したり、スマートシティ的要素を取り入れようとしている。

大阪府市は前々から積極的にIRの旗振り役を務めてきただけあって、認定される可能性は極めて高い。

 

また、周辺には世界的観光地である京都、注目を集めつつある奈良や瀬戸内といった個性的観光地が多くあり、それらの地域へ送客したり、逆にそれらの地域からIRへ誘客できることが期待されている。

IRには滞在を主目的としたリゾート型や国際会議・イベントの開催を目的とした都市型などバリエーションがあるが、大阪の場合は明らかに都市型IRが当てはまるだろう。

 

北海道(苫小牧)・・・リゾート型IR

本州とはあらゆる点で一線を画するデッカイドー(特急オホーツク内より撮影)

北海道は新千歳空港からほど近い苫小牧に誘致を検討している。しかしまだ調査中であって、北海道から正式に参加する意思は表明されていない。

 

北海道はニセコ町がパウダースノーの聖地として注目されており、インバウンド客が急増している。

その他、おいしい海の幸や広大な自然遺産を有しており、リゾート型のIRとしてはかなりのポテンシャルを感じる。

 

また、他と同様に北海道も財政難であり、自治体に多くの雇用や税収をもたらすIRは救世主だともいえるだろう。

ただ世論調査では反対が賛成を上回っており、地元住民の理解という点で正式な立候補にはハードルが多くある。

 

長崎(HTB)・・・テーマパーク型IR

博多駅。特急を使えば博多からHTBまで2時間弱で行ける

誘致の可否を控える北海道とは違い、長崎は積極的に誘致する方針を示している。

場所は広大なハウステンボスエリア(約100ha)にある活用可能な更地の地域を利用し、最大39haのIRを建設する予定だ。

 

ハウステンボスに隣接するだけあって、都市型の大阪やリゾート型の北海道と違い、テーマパーク型のIRになるだろう。

IRには送客機能(船や鉄道など)が重要とされている。九州ではJR九州がホテル開発やリゾート列車の運行に力を入れており、その点で連携する必要がありそうだ。

 

和歌山はどうなる

大阪や長崎と同様に誘致に積極的な自治体には和歌山県がある。

和歌山は和歌山マリーナシティの約34haに誘致を検討している。

 

仮に大阪誘致が決まった場合、全国に3つしかないIR候補地のうち2つを関西に選ぶのはほかの自治体から不公平だという意見が上がる可能性が高い。

立候補する自治体が3以下であれば和歌山は選ばれるだろうが、4以上であれば厳しいのではないかと個人的には思っている。

自民党の二階幹事長の選挙区だけあって、その政治力で有利に進むのでは?という推測もなされるが実際どうかは分からない。

 

横浜はメリットもリスクも大きい

以前「カジノを含むIR(統合型リゾート)が横浜には向いていない理由」という記事を書いたが、横浜は日本人に大人気&外国人に不人気の観光スポットであり、下手すると、日本人から金を集める施設になる可能性がある。

 

IRは外国人向けの施設であり、外向きに稼がねばならない。

横浜という観光地の性質上、IRは不向きだと思う。仮に誘致するのであれば、外国人が来訪する羽田空港からの導線を踏まえなければならない

つまり、みなとみらい線や首都高速といった交通手段を活用し、可能な限り多くの外国人を送客する必要が出てくるだろう。

例えば国際線ターミナルの降り口にIRの広告を設置したり、IRに向かう外国人限定でバス賃や電車代などを割り引く方法も考えられる。

何にせよ、横浜のIRは外国人が多くやって来れるような施策が必要になってくるだろう。

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