大阪のIRは海外を狙った施設。ポテンシャルも圧倒的に高い

 

こんにちは。

2019年春の統一地方選挙において、IR(統合型リゾート)は副題の一つに挙がることがあります。

それだけだといいんですが、ことさらカジノに焦点が当たり、危険性ばかり取り沙汰されることが多いです。実際、IRとはどういう施設なのか解説していこうと思います。

IRとは

まずは言葉の定義から。

IRは英語Integrated Resortの略で、日本語では統合型リゾートはと言われる。

それでも意味が分からないと思いますが、ざっくり言えば巨大な会議場や展示場、演劇場、高級ホテル、カジノなどが一つにまとまった施設のこと。

海外ではシンガポールのマリーナベイサンズなどがある。

 

メディアではカジノ施設ができることが強調され、ギャンブル依存症の増加を危惧するなど、危険性の点だけを報道している。

だが、カジノが立地する面積は全体の3%以下と定められており、例えば畳が100枚の面積だったとすれば、カジノは畳3枚以下の面積でしか営業できない。

法律の概要は「特定複合観光施設区域整備法に係る政令事項について(PDF)」にある。

 

IRの一番の狙いは何なのか?

正直なところ、IRをどうして導入したいのか分からない人も多いと思う。特に大阪府と大阪市は維新が主導する形で、全国に先駆けてIRの誘致活動を進めてきた。

大阪府のHPを見てほしい。こんなに熱心に会議を重ねている自治体は大阪以外にはない。

他の都道府県(和歌山や長崎、北海道など)は誘致に名乗りを上げているものの、大阪ほど具体的に指針を示しているわけでない。

 

さて、IRを作ることで大阪に大きなメリットがもたらされるのは言うまでもないが、一番の狙いを一言でまとめるなら何だろうか?

一言で表すなら、国際会議(MICE)の誘致である。

 

MICEが弱い大阪

MICEとはザックリいうと、世界各地から人が集まるような大規模な国際会議や展示会のことである。

多数の訪問客が長時間にわたって滞在することから、地元経済への経済効果が大きいと言われている。

だが、肝心の大阪はMICEに弱い。

 

出典:大阪IR基本構想(案)

上のデータを見ればわかる通り、東京だけではなく京都にも水をあけられており、福岡とほぼ同じもしくは負けている年だってある。

理由は簡単で、国際的で巨大なイベントに対応できるだけの施設がないからだ。確かに展示場はインデックス大阪があるし、会議場には大阪府立会議場がある。

ただどちらもバラバラに位置しており、統合性がない。

さらに周囲に娯楽施設がない点も致命的だ。会議やイベントが終わったら気晴らしに演劇を見たりカジノをするエンタメがあればいいが、インデックス大阪周辺にはそんなものはない。

これは東京でも同じで、東京ビックサイトやパシフィコ横浜の周辺がつまらないのと同じだ。

 

IRはこういう大阪が国際会議を誘致する上で抱えている問題点を一気に解決するかもしれない切り札なのだ。

だから大阪府は必至に誘致を行っているのである。

 

カジノをテナントに入れる理由

娯楽要素であるカジノだが、どうして入れるのだろうか?

それはその他の施設(会議場や展示場、ホテル、演劇場、エンタメ施設など)だけでは収益性が低い、もしくは赤字になる可能性があるからだ。

 

一般にIRでは収益の大半(8割ほど)をカジノによって稼ぐと言われている。

だからIRにはもれなくカジノがセットでついてくる。

 

因みに、政府や大阪府は依存症対策の議論を進めており、入場料を数千円に設定するほか、入場回数に制限を設けたり、家族の依頼があれば当人の入場を拒否できる制度を検討している。

さらにカジノのアピールや宣伝は外国人向けに限られ、日本人が利用するエリアでは広告を控えるように設定する予定だ。

 

そもそもギャンブルって日本各地にありません?

ギャンブル依存症のリスクもあるカジノだが、規制されていないギャンブルは日本各地に沢山あるだろう。

もうお分かりだと思うので書かないが、ほぼすべての駅前にありますよね??(笑)

 

大阪の駅前あっちこっちにギャンブルができる場所があるにもかかわらず、都心から電車で20分近くかかる無人島に小さなギャンブル施設ができただけで、どうして騒ぐのか理解できません。

謎ですね(笑)

 

特に大阪はポテンシャルが高い

さっきも書いた通り、IR(統合型リゾート)はインバウンド市場(外国人)向け。

日本国内の会議などで使われることはあるかもしれないが、基本は世界に開かれた施設なのだ。

 

大阪のIRはポテンシャルが高いと言われる。

ハコモノ行政に散々失敗してきた大阪なので、巨大な建築物を作ることに少しアレルギーがあるのかもしれない。

しかし、今回のIRに限っては様子が違うようだ。大阪がIRの最有力候補と言われるようになってから、世界各地のカジノ業者が大阪にやってきてアピールするようになってきた。

世界的カジノ業者のMGMは、大阪万博開催決定を祝って小さな大阪城を建設したほどだ。

要はそれだけポテンシャルがあるということであり、大阪の市場は伸びしろがあることの裏返しなのだ。儲からない都市にわざわざ時間をかけて訪問したりはしない。

 

大阪は日本の中で最もインバウンドで上手くいっている観光地かもしれない。

人口減少で減収が続く百貨店業界でも、大阪の百貨店だけは外国人観光客を取り込み、各社前年越えで東京を抜いて一番店になったところもある。

また、1時間圏内に世界的観光地・KYOTOがある。夢洲で会議が終わったら鉄道で京都に行くという導線も引くことが可能だ。

歴史的・文化的な遺産が集中する関西において、その利点を使わない手はない。東京がひっくり返っても関西に勝てない点があるとしたら、間違いなくこの点である。

 

あれこれ述べてきたが、外国人観光客が急増していて今後も増加する可能性が高く、さらに周辺には歴史的な観光地がある大阪・夢洲。

IRを2025年の万博とも絡めてPRすれば、なかなか面白い大阪の将来が描けるのではないだろうか??

コメント