通称”トンキン大学”
大阪は東京への人口流出が叫ばれるけど、「東京に行ってみたい」という彼らの望みなら、それはむしろ良いことなのではないかと、最近、思えてきた。広い世界で経験を積んできて、大阪に帰ってこればいい。
重要なのは戻って何かしたいと思える環境を作ること。今の大阪はその環境が整いつつある。
— 大阪の未来構想 (@osaka2theworld) August 21, 2019
上は筆者の最近のツイートだ。
大阪では長らく東京都を中心とする首都圏への人口流出が叫ばれてきた。
引用:大阪府人口ビジョン(案)(大阪府)
大阪とその他の都市圏の人口動態を示す概略図である。データは少し古いが2014年のもの。
周辺の関西の都道府県(兵庫や和歌山など)からは約5000人の転入超過、その他四国や九州などとも転入が多くなっている。
一方、東京圏からは約3万人流入してきて、東京圏へは4.1万人流出しており、差し引きで約1.1万人の転出超過となっている。
東京圏へ転出が多いのは、大学進学(18歳)を迎える年代や就職・転職活動がさかんな20~29歳という比較的若い世代である。
もちろん東京圏から関西圏に進学、就職する人も多いが、それ以上に出ていく方が多い。
最近はインバウンド景気に伴い、経済状況は改善しており、また大阪万博を控えて経済的な期待も高まっていることから、東京への転出超過は緩和されると予想されている。
ただ、筆者は東京やその他の地域に大阪人が移動してしまうことは、必ずしも悪い現象だとは思っていない。
「東京(又は他都市)に行ってみたい」という意識は悪いことではない
大学進学を機に上京した私にとっては、「東京(もしくは他の都市)に行ってみたい」と若い世代の人が思うことは良いことだと思う。
逆に地元でまったりと生活しようとして、熱意とか希望が何もない学生や社会人の方が怖い。
東京に限らず、世界にはいろいろな街や色々な文化があって、そこに飛び出して様々な経験をすることは大切だ。
一度外で生活をしてみて、初めて大阪や関西の良さが分かることもよくある。
例えば都市全体でみれば、東京はルールは守れるが、ルールを破ることは苦手な都市だと直感的に知ることができた。
日本の首都だけあって全国各地から色々な人が集まるが、東京全体で共有されいる価値観は「ルールは守ろう」である。
一方、大阪はルールは守らない傾向にあり、東京を中心とするメディアに叩かれる傾向にあるが、それはコインの裏表であり、既存の考えに縛られない独創性の源泉だったりする。
そのような直観的理解は、大阪や関西を飛び出し、地元を外から客観的に眺めなければ得られないものだ。
重要なのは戻れる環境を作ること
都心にマンションや公園ができつつある梅田駅周辺
人生100年時代とは言ったもので、キャリア生活が長くなると、東京や海外にいたとしても何かのきっかけで大阪に戻ることが出てくるハズだ。
転勤かもしれないし、家族の事情かもしれないし、ビジネスを興すためかもしれない。
そのときに重要なのは、元大阪人・元関西人が戻りたいと思ったらすぐに戻れるような環境を作ることだ。
具体的には、再就職できる職場環境があったり、子育てしやすい豊かな住環境があったり、成長している産業があったり、、、などである。
そして今の関西は、そういった環境が生まれつつあると思う。
例えば梅田駅の北側にある「うめきた2期」では都心のど真ん中に森林公園ができる予定で、これは都心立地+公園というすぐれた住環境を提供してくれる。
また、負の遺産とされたベイエリアの夢洲には巨大なIR(統合型リゾート)が来る予定で、数千人の雇用が生まれるといわれている。
豊富な観光資源を持つ関西はインバウンドも好調で、それに伴う不動産への投資や起業家の増加も起きつつある。
関西に戻れる環境が生まれつつある点でも、関西の将来は明るいと思う。
さて、記事の要旨をまとめるなら、人口が流出することを嘆くのではなく、むしろ広い世界で学ぶ意欲があることの裏返しであること。そして、大阪全体として取るべき戦略は、彼らが戻りたいと思ったときに、簡単に戻れるような環境を作っていくことがさらに大切だということだ。
コメント
数十年前の経済大国だった頃ならまだしも、いまや東京なんかに行って満足するような人間は大したことはない。ルールを守るだけならもっと田舎でいい(笑)
アメリカや中国、インドを目指す人間を作るべし。その為には言葉の壁を教育で徹底的に潰すこと。