テレワーク普及により、大阪の人の流れには”郊外傾向”が生まれるかも

経済

京阪電車(出町柳駅にて撮影)

今、世間では新型コロナウイルスの話題で持ちきりだ。

ライブハウスで集団感染が発覚し、大阪府としては早期の対応で爆発的に拡大することは上手く抑え込んだものの、全て防ぐことは難しく、じわじわと感染が広がっている。

3月14日時点で感染者数は累計102人となっている。

 

さて、そのような状況もあり、一部企業では出社を控えたり、在宅勤務を推奨する動きが出ている。

実際の致死率はインフルエンザとそれほど変わらないのだが、「○○社でコロナ発生!」と報じられれば、ブランドや企業活動に致命傷となるため、みな安全策をとらざるを得ないからだろう。

 

そのような傾向の中で、東京のIT企業(DMM、CAなど)を皮切りに、各社でテレワーク(在宅勤務)が行われている。

業務の構造上、テレワークができない業種やそもそも在宅を許さない会社も多いので、全員が全員在宅勤務ではないが、大阪でも朝の電車の混雑はかなりマシになっている。

体感で2,3割程度減っている印象だ。

 

コロナが長期化すれば、それに従ってテレワークも長期化する可能性がある。

今日本ではコロナウイルスの拡大を抑えることで医療機関のパンクを防ぐ方針であるため、最も感染者が増えるピークもずれ込んでしまう。

そうすれば、コロナウイルスの流行が長期化することは必至であり、テレワークの長期化も十分あり得る話だ。

 

一度おいしさを知るとなかなか元に戻れないのが人間の性であり、在宅勤務が長期化して定着すればするほど、仮にコロナが一段落したとしても、テレワークがそのまま定着する可能性が高くなる。

例えば、1週間のうち最低1日は出社し、それ以外は在宅勤務、的な勤務スタイルが出てくるかもしれない。

人口の都心集中傾向に影響するかも

過去20年にわたって、大阪では「人口の都心回帰」が続いてきた。人口の都心回帰とは、郊外に流出していた人口が都心に戻ってくる現象のことである。

都心とはつまり大阪市内(都心6区)のことであり、大阪府全体では大阪市の人口増加が他の市町村を押さえてずば抜けている。

 

引用:大阪府の推計人口 年報

郊外から都心に人が集まってくる理由には色々あるだろうが、一番は職場への近さだ。

普通は勤め先のオフィスは梅田や淀屋橋、本町など大阪市内の中心部に位置することが多いので、その周辺に家を借りたり、マンションを買ったりする。

最近多いのは、比較的家賃の安い西区や西成区などに単身世帯が流れたり、北区や中央区のタワーマンションに所得水準の高い夫婦が入居したりするパターンだ。

 

しかし、テレワークの普及度合いによっては、この流れにも影響が出てくる可能性がある。

もし職場に行かなくても仕事できるのであれば、わざわざ家賃の高い都心に住む必要はなく、家が広くて安い郊外に住めばよい。必要な時は、電車に乗って出社をする。

そうなれば、テレワークを認める会社の社員であれば、都心より郊外に住むという判断をするのが合理的だろう。

 

ただし、全体の傾向が大きく変わるわけではないと思う

もちろん、テレワーク=サボりという風潮があったり、接客業などそもそも職場にいることが必須の業種が多いので、大阪全体に影響するほどのものでもないかもしれない。

特に今伸びているインバウンドの関連産業(接客業、飲食業など)はその性質上、在宅勤務はできない。少なくともこれらの産業ではテレワークによる直接的な影響はないはずだ。

 

しかし、今後、都心集中だけでなく、郊外傾向の流れも生まれる可能性があることは、頭に置いておいた方が良いと思う。

コメント

  1. ななし より:

    うーん、私は朝のラッシュ時から少し外れた時間帯に通勤してますが、コロナウイルス騒動で乗車客はむしろ増えたように感じています。学生さんは見かけなくなったのですがそれ以上にサラリーマンが増えた印象ですね。