パチンコ屋よりギラギラしているスーパー玉出
※ブログ内の写真は全て2020年2月以前に撮影した写真です。
大阪には狂気を感じるほど安いお店が沢山ある。
駅前の商店街というそこそこ立地が良いところなのに、うどん一杯120円だったり、のり弁が200円だったり、大根一本が40円だったりする。
お金好きな筆者にとっては、どうしてそんな価格が実現できるのか謎が深まるばかりである。意味不明。
どうやって元取るねん。
記事の内容を要約!
・大阪の圧倒的価格破壊には2つの要素が挙げられる。
①大阪商人のおもてなし精神
②(本社流出による)貧乏人経済
・今後は①の良さを残しつつ、インバウンド経済に合わせて「高物売り経済」へとシフトしていくべきだ(筆者の主張)
大阪の圧倒的価格破壊。その背景にある2つの要素とは
京橋にある定食屋。かつ丼330円は狂気を感じる
この価格破壊現象は大阪以外の地域ではなかなかお目にかかることができない。
物価や地価の高い東京ではもちろんないし、それ以外の地方都市でもなかなかない。
私の個人的な見解だが、これには2つの要素が絡み合っていると思う。
一つ目は、身を切りつつ安く売ることがカッコいいというか、、お客さんを楽しませることが素晴らしいというか、そのような態度が商売人として優れているとする大阪商人的なおもてなし精神が挙げられる。
例えば「大阪地卵 10円自販機」というものが福島と中之島の近辺にある。
仮に破産物件からタダ同然でジュースを仕入れてきたとしても、人件費その他経費を差っ引けば10円でジュースを売っても利益なんて出るわけがない。
他にも50円以上で普通のドリンク(これすら普通ではない)も売ってあるから、全体を見れば黒字化している可能性はあるが、恐らく赤字であろう。
色々理由はあるのだろうが、これは大阪商人的なおもてなし精神が理由なのだろうと思う。
安売りと言われればそれまでなのだが、10円を突っ込んで変ちくりんなジュースが出てくるドキドキ感やどぎつい装飾で利用者を楽しませている。
時間があれば見てみてほしい場所だ。
これは(良くも悪くも)健全なビジネスをして手堅く稼ごうという意識のある関東の企業にはあまり見られない現象だと思う。
もう一つは、デフレ経済が長引き、貧乏人相手の商売が主流になってしまったことがある。
大阪は1960年代以降、本社機能が東京など関東圏に流出した。
最近ではマシになったものの、住友財閥系の企業(住友銀行など)をはじめ、日清やPanasonicなど大阪を代表する大企業が大挙して大阪を出て行った。
そうなるとお金を持っている大企業の社員・役員も一緒にいなくなってしまい、大阪には貧乏人が取り残されてしまう。
これは、所得水準の低下や大阪府市の財政悪化、犯罪率の上昇などが連鎖的に発生する通称”大阪問題”につながった。
このような長引く貧乏経済に対応し続けた結果、今書いた圧倒的な安売りが続いてしまっているのだろうと推測する。
圧倒的安売りには、良い面悪い面どちらもある
今書いた通り、大阪の底抜けした安さは様々な原因がある。
商売人のおもてなし精神と捉えれば良い要素だろうし、逆に貧乏人が増えたことが原因と捉えればネガティブな要素だろう。
今はコロナの影響でインバウンド経済は空前の不況であるが、今後数か月から1年単位で少しずつ戻ってくるだろう。
外国人観光客は財布のひもが緩んでいるから、普段大阪人が買わないような高級品も買ってくれたりする。
大阪商人のおもてなし精神を残しつつ、これを機に大阪経済も「安物売り経済」から「高物売り経済」へ少しずつ転換すべきだと思う。
ミナミの黒門市場。外国人観光客向けに業態転換を図った
100円のグレープフルーツを50円で売るために血の滲む経営努力するのではなく、1箱2000円のイチゴをいかに買ってもらうか経営努力すべきだということだ。
50円でグレープフルーツを売っても、原価が30円であれば粗利益は20円しか残らない。しかし、2000円イチゴの原価が500円であれば、1500円の粗利益が手元に残る。
手元に残る粗利益でもこれだけ違うのである。
私はあのぶっ壊れたような安売りは好きだし、すべてやめる必要はない。
一般庶民向けのビジネスとしては残るだろうし、地元の商店街などはまだまだ1杯120円とかいう価格破壊のうどんが売られ続けるであろう。
しかし、大阪全体が地盤沈下して全員が等しく貧乏にならないために、高物売り経済へシフトしていくべきだろう。
【補足】商店街が安いのは、今指摘した2つの要素に加えて、自社物件(土地と建物をオーナーが保有していること)で月々の家賃がかからないことなども理由です。”安い”には様々な理由があります。
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