大阪復活のために重要なこと④‥自信を取り戻すこと

外国人観光客(インバウンド)

もう一度陽の光を見れるだろうか?

50年間の長きにわたる経済衰退で大阪が失ったものは多数の大企業の本社機能だけではない。

人間にとって最も重要な「自信」を失ったのではないかと思う。

ここで言っているのは大阪人や関西人個々の自信ではなく、大阪という都市に対する自信である。

 

少し前に以下の様な記事を見つけた。

大阪が持つ独特のインターナショナルな感じは面白い。物おじせず率直に話し合い、個人の判断で物事が動くニューヨークに似ている。一方で大阪の自治体や企業は東京に対した時、自信を失っている。東京とのライバル関係でなく、世界に直接開ける気質を生かせば、可能性がとてもある街だと思う。大阪は東京やニューヨークと比べると都市の多様性は弱いが、関西圏として神戸、京都、奈良が一続きであるのは世界でも相当特殊で、圧倒的な強さだ。

豊田さんは東京大学工学部を出たのち、安藤忠雄建築研究所などを経て自身のデザイン事務所を立ち上げた方だ。

2025年の大阪万博のアドバイザーなどを務めている。

外からの意見は客観性があって面白いのと同時に、耳が痛いなと思う次第だ(笑)

 

大阪には自信がない(なくなってしまった)ことを鋭く指摘されてしまった。でもまさにその通りなのである。

延々に続いた東京への本社機能の流出、優秀な人材の東京流出、不況に伴う生活保護者の急増、日本トップレベルのひったくり発生率、大阪府市行政の腐敗、オリンピック誘致失敗、、、、挙げればきりがない(笑)

確かにこれだけ踏んだり蹴ったりになれば自信を失うのも無理はない。どうせ無理やと負け癖がつくのである。

 

しかし、自信がないのを嘆いていても仕方がない。自信がないないと言っていては、ますます自信がなくなるだけである。

大阪復活のために重要なこと①‥よそ者を受け入れる懐の深さ

大阪復活のために重要なこと②‥何かの中心地であること

大阪復活のために重要なこと③‥都構想だけでは大阪は良くならない

少しずつ自信を取り戻しつつある大阪

引用:2019年度版なにわの経済データ(令和2年2月18日公開)

とはいえ少しずつではあるが、今の大阪は自信を取り戻しつつある。

アベノミクスによる円安の進行と関空改革、大阪府市一体の観光政策の成果もあり、大阪を訪れる外国人観光客はここ数年でうなぎのぼりに増えている。

誰か勉強不足の東京の評論家が「地方自治体の政策にそれだけの効果があるはずがない」と指摘していたが、それは違う。

伊丹と関空をくっつけてキャッシュフローを改善し、関空の離発着陸料金を下げてLCCを大誘致するという関空改革は大いに有効だった。

 

さて、米マスターカードの調査では、2009年~2016年において海外旅行者数の年平均増加率が24.0%であり、大阪は世界で最も成長率が高い都市だったことが明らかになった。

 

はじめは「なんかよく分からんけど外国人が増えたな」という感覚だったのが、最近は「あれ。これは大阪は海外から意外と人気なんじゃないか、受けてるんじゃないか」という感覚に変わりつつある。

少しずつ少しずつではあるが、「いけるんちゃうか」という自信が生まれ始めてきた。

 

そして不治の病とも言われた本社流出病も、昨年は過去数十年で最小になった。

2018年に大阪府へ本社を移転した企業は174社で、23年ぶりの高水準だったことが帝国データバンク大阪支社の調査でわかった。逆に府から転出した企業は191社で、過去26年間で最も少なかった。25年大阪・関西万博の決定や、カジノを含む統合型リゾートの誘致計画などで、大阪経済の盛り上がりに期待する企業が増えたためとみられる。

帝国データによると、首都圏への一極集中が進むなか、大阪から出て行った企業は02年には312社にのぼり、ピークとなった。1982年以降、大阪から転出する企業の数が、転入する企業を上回る「転出超」の状態が続いているが、18年はその差が最も縮まり、17社だった。

 

このように明るいニュースがポツポツ出始めてきて、少しずつ「なんかいけるんちゃうか」というムードも生まれつつある。

 

コロナを倒せばさらに自信がみなぎってくる!

いま世界は新型コロナウイルスの流行に右往左往していて、大阪の街も4月から5月頭までは緊急事態宣言が出され、お店は封鎖状態となった。

しかも日本政府は言っていることが二転三転したり、必要な法案がなかなか決まらなど、もたついている。

 

 この霞が関と永田町の惨状は、逆にいえば大阪にはチャンスである。

多数の利害関係者に固められて動きが鈍くなっている国を尻目に、大阪府は先駆けて独自の方向性を打ち出した。

6日には感染経路不明者数などを指標とした大阪モデルを公表し、段階的に緊急事態宣言を緩和していくことを発表した。

(国の立場を尊重しつつ、)国とは違う独自の判断をして政策を決めていく状況は、まさに道州制そのものである。

 

他の地域に先駆けて緩和を進め、コロナとの共存に成功できれば、「大阪凄いやん」と府民が誇らしげに思うこと間違いなしである。

そのような小さな成功体験を積み重ねることで、都市としての自信を次第に取り戻していくのだろうと思う。

それは人の成長過程と同じなのかもしれない。

 

今はコロナで大変であるが、これを乗り越えて新しいステージに進みたいものである。

とりあえず以上です。

大阪復活のために重要なこと①‥よそ者を受け入れる懐の深さ

大阪復活のために重要なこと②‥何かの中心地であること

大阪復活のために重要なこと③‥都構想だけでは大阪は良くならない

コメント

  1. rjrj より:

    はじめまして。賛成か反対か迷っている者です。
    ここ最近の関西各局のテレビ討論会で松井市長が「2025年にはコロナは収束していると思う」
    という主旨の発言をしていました。それを理由にコロナ禍での大阪メトロの減収を踏まえた
    財政シミュレーションをしないということでした。
    5年後に新型コロナがどうなっているのかなど 全くわからないのに
    何の根拠もなく希望的観測でものを言う態度は非常に無責任だと感じました。
    松井市長のこのような発言に対して どう思われますか。
    賛成派の人たちこそ このような発言をされては困るのではないかと思い質問させていただきました。

    • 大阪の未来構想 大阪の未来構想 より:

      ご指摘の通り、不安に思う方へ配慮したほうが良かったのかなと思います。松井市長は歩み寄った発言が少ないように感じます。

      ただ、数年である程度戻るだろうという予測は私も同意です。コロナはワクチンや治療薬が見つかれば、収束するでしょう。

    • より:

      あんまり意味のない話だと思います。コロナ禍で減収して財政危機になるというなら、都構想が成立しなくても同じように財政危機になると思うから。
      逆に今のままなら乗り切れるという根拠もないですよね。