人口増加が続く大阪市。その半分は外国人によるものだ

社会

職場へのアクセスが良い利便性の高さもあって、近年は大阪市で人口が増え続けている。

2019年6月1日時点では人口は273.6万人(推定値)であり、昨年6月の272.2万人より1.4万人増えている。

ではその内訳はどうなのだろうか?

今回は外国人人口という指標をもとに、大阪市の人口増加を考えてみる。

 

大阪市の人口の推移

2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
大阪市人口 2,669,671 2,675,108 2,678,238 2,680,155 2,692,960 2703613 2,714,710 2,727,136

2011年~2018年の人口の推移を表したグラフだ。すべて当年1月1日の人口である。

一貫して増加しており、特に2014年からは増加スピードが早まっている。

 

大阪市の外国人数の推移

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
大阪市 122,019 122,753 121,415 121,556 121,547 120,742 119,509 119,241 117,160 116,282 116,859 120,544 125,443 131,582 137,467
横浜市 67,731 69,965 71,927 74,538 78,757 78,061 77,419 77,253 74,713 75,544 78,576 82,489 87,563 92,139 97,540

大阪市の数値はその年の年末(12月31日)のもの。上は外国人の人口数を表したグラフである。大阪市と比較するために横浜市を入れてみた。

大阪市は2013年に11.6万人となり、2004年から現在までで最も少なくなり、それ以降は急増している。

 

増加の背景は色々考えられるが、全国的には、人手不足を背景に外国人労働者の需要が増えていることが挙げられる。

大阪ならではの理由としては、インバウンドの急増もあると思われる。外国人観光客の増加に伴い、英語や中国語、韓国語を筆頭とする外国語を話せる労働者需要が増加している。

実際なんばなど外国人観光客が多い場所に行くと、ドラッグストアで働く外国人をよく見かけるだろう。

 

因みに2019年1月1日時点での大阪市人口は272.7万人なので、外国人人口率は5.04%になる。

 

人口増加が続く大阪だが、その半分は外国人の増加によるもの

2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
外国人口増加数 -2,081 -878 577 3,685 4,899 6,139 5,885
人口増加数 5,437 3,130 1,917 12,805 10,653 11,097 12,426

上は大阪市における全人口増加数と外国人人口の増加数を表したグラフである。

※データについて補足。例えば2018年であれば、外国人人口は2018年末のものであり、日本人人口は翌日の2019年1月1日のもの。1日の誤差がある。

 

データを見ればわかる通り、大阪市の人口は近年は一貫して増加傾向にある。

最近は大阪の都心でタワーマンションが多く建設されており、アクセスのよい都心に人口が増えている。

 

ただ人口増加が続いている一方で、近年はその内訳が変わってきている。

一番新しい2018年の年末時点では、人口増加数1.24万人に対して、外国人人口の増加数は0.59万人であり、全体の47.4%を占めている。

外国人が大阪に移り住んでこなければ、大阪市の人口増加は半分になってしまう計算だ。

 

外国人無しではやっていけない

今回は詳細で正確なデータが揃っている大阪市で考えてみたが、大阪府の傾向も同様だ。

大阪府全体では大阪市と違って人口減少が続いており、その減少を外国人人口の増加によってマシにしている状況である。

 

大阪府に外国人がやって来なくなれば、高齢化が進む大阪ではますます人口が減少することになる。

外国人や移民に対して様々な感情はあるだろうが、今の大阪の人口情勢を見ても、外国人の増加がなければ大阪からますます人が減ってしまう状況にある。

大阪経済の発展を支えるためには外国人の存在は無視できないといえる。

 

その状況を受け入れるのか、それとも制限をかけるのかは住民次第なのでこれ以上は言及しないが、今後外国人無しでは大阪経済は成長できないということは間違いなさそうだ。

以上です。

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