御堂筋は緑化と同時に小川を引いたら魅力的になりそう
— 大阪の未来構想 (@osaka2theworld) November 19, 2020
数日前に上のようなツイートをした。今回はその内容をより詳しく書いた記事である。
御堂筋は大阪を代表するストリートである。
梅田から難波までまっすぐに伸びる一方通行の6車線は特徴的であり、側道に植えられたイチョウは紅葉の時期には最高である。
御堂筋は大阪の工業化が成功し経済的に絶好調だった時代、関大阪市長によって建設された。
優れたものであっても、時代に応じてその役割や機能を変化させていかなければ生き残れない。
御堂筋が出来てもうすぐで100周年。
側面が歩道化されるという構想が大阪府市から挙がっている。
側道が歩道化される?
以前「2037年に全面歩道化?御堂筋はこれからどこに向かっていくのだろうか」の記事でも書いたが、御堂筋は将来的に歩道化されるかもしれない。
全面歩道化なのか、一部歩道化なのか、どこまで歩道化するのかは不明だが、今後社会実験を交えながらどこまでどう歩道化するのかを決めていくのだろう。
私は歩道化の方向性に基本的には賛成の立場である。
御堂筋は車道が6車線あることから分かる通り、自動車優先の構造であり、歩行者に対する配慮は少ないと言わざるを得ない。
今後モータリゼーションの時代から、人間主体の時代に変わっていく。
分かりやすい例はインバウンドである。今は世界的なコロナウイルス流行の影響で下火だが、今後治療薬やワクチンの開発が一段落すれば、また戻ってくるだろう。
そうなれば必然的に人の通行量が増えていく。
今はインバウンド産業に焦点を当てたが、今後機械化や人工知能の普及が進むにつれて、ますます人間の知恵やユニークさが求められる時代となる。その意味でも人間主体の時代になるだろう。
昔は八百八橋と呼ばれ、河川が特徴的な地域だった大阪
こちらは江戸時代の大阪(大坂)の地図である。
船場の西側、今でいう大阪市西区は東西に多数の運河が流れていた。また、今は長堀通りが通っている場所も昔は長堀川という川が縦断していた。
大阪中心部には多数の河川が流れており、それに応じて多数の橋が架かっていたことから、八百八橋などと呼ばれていた。
大量の物資を保存し運搬できるこの都市構造や、京への外港都市という性質を活かして、江戸時代は水運都市として繁栄していた。
新河川”御堂筋川”を南北に2本引くと面白いのでは
今後ますます世界での都市間競争が激しくなると言われている。
そのときに重要なのは、強いエリアをより強くするという発想である。大阪であれば梅田から難波にかけての都心部がそのエリアにあたる。
その都心を縦断するのが御堂筋であり、このストリートをどう活かしていくかが大阪の都市戦略には一つ重要になるだろう。
オフィスビルと2本の河川が調和する中之島エリア
大阪は今でも水都を自称しており、道頓堀川や中之島周辺に見られる通り、河川が印象的な地域であることには変わりないのだから、御堂筋に新たに川をひくのは一つ案なのではないかと思う。
川といっても道路のど真ん中に大きな川を流すわけではなく、歩道化する側道に深さ30センチほどの小川を流すことを想定している。
水は大阪市役所の両脇を流れる大川(旧淀川)からポンプで取水し、キタからミナミに流して最後は道頓堀に放水すればよい。
川が流れていると、エリアの開放性が高まると思います
大阪市内の特徴の一つは、起伏があまりないことである。地形に特徴がないので、ビルや緑だけが立ち並んでいると、平坦でつまらない土地になってしまう。
そこに小さな河川を2本引けば、視覚的・心理的な起伏を生み出すことができるだろう。
灰色から緑色/青色の時代へ
旧淀川(堂島川)と中央公会堂
コンセプトとしては
灰色:コンクリート、ビル
↓
緑色/青色:緑化と河川
である。
東アジア地域が急速に成長しており、各地には高層ビルが立ち並ぶようになった。また日本は今後人口が減少していく。昔と違って、単に高い高層ビルを作るだけでは勝てない時代になるだろう。
単なるビルの立ち並ぶビジネス街ではなく、どう自然と調和した大阪を作り上げていくのか。
都市間競争が強まり、魅力あるエリアをより強くしていかなければいけない時代、大阪の強みである水(河川)をどう都市開発に活かしていくのかが問われていると思う。
コメント
IRや万博で既得権益のやつに金流しているのに、御堂筋の南北に川?
頭に虫が湧いているんですか?
自動車から人中心の社会へ移行する未来を見据えた上でのプロトタイプ的な提案でした。荒削りなのは認めます。
その様な社会全体の流れが見えていないのでしょうか。
また、IRや万博は既得権益とは呼べません。既得権益は既に出来上がっていて長年続いてきた利害関係を指すからです。例えば、都構想で解体される予定だった、役所と地元企業の癒着がその一つです。