緑色がテーマカラーの中央線(阿波座駅より撮影)
一か月ほど前の7月10日に、念願だった「なにわ筋線(下図)」の着工許可が国から下りた。
引用:「なにわ筋線事業計画に係る都市計画素案説明会」資料より
なにわ筋線はなんばから北梅田までの約7キロを結ぶ鉄道路線で、2031年の完成が予定されている。私鉄とJRが不仲の関西では珍しく、南海とJRが共同で乗り入れる路線だ。
混雑が慢性化している大阪環状線の混雑を解消し、都心と空港のアクセスを改善することが予想され、一般市民や鉄道事業者にとっても大きなメリットがあると言われている。
なお、新駅としては南海新難波駅や西本町駅、中之島駅の3駅が建設予定だ。
記事の内容を要約!
・なにわ筋線(2031年開業)では、本町の西に西本町駅(仮)ができる予定だ
・その新駅の位置が、中央線の本町駅と阿波座駅のちょうど中間にポツンとあってアクセスが悪い。
・本町~西本町間を実際に歩いてみたが、徒歩5分以上かかって遠い。
・中央線はIRと万博の夢洲(ニシ)や大阪城がある森ノ宮(ヒガシ)を結ぶ新しいドル箱路線。ひょっとすると、中央線も新駅・西本町駅を作るかも?
なにわ筋線の新駅・西本町駅。中央線との乗り継ぎが悪い
なにわ筋線(赤色)と中央線(緑色)のマップ
なにわ筋線の西本町駅は、なんば駅と中之島駅の間に作られる新駅であり、中央大通りで地下鉄・中央線と交差した場所(阿波座1交差点)に作られる。
しかしその場で乗り換えすることはできず、中央線や四つ橋線に乗り換えようと思えば、本町方向に400~500mほど歩かねばならない。
仮にこのまま西本町駅だけがポツンと単独で建設された場合、中央線や四つ橋線の本町駅とのアクセスが悪いといわざるを得ない状況になる。
歩いても5分ほどかかる上、外国人観光客は大きなキャリーバッグを持っていることも多く、さらに移動しずらい。
そのような状況もあって、ネットでは中央線がなにわ筋線と同じ場所に西本町駅を新しく作るのではないかと噂されている。
ただ、本町駅からの距離を考えれば新駅を建設するほどでもないし、本町まで歩いていけないこともない気がしていた。
実際に歩いて体感するのが一番なので、今回は現地で調査をしてみた。
実際に本町駅から阿波座駅まで歩いてみた
大阪メトロの本町駅をスタート。
なお、ホームの一番西側(つまり西本町駅から一番近いところ)からスタートした。
⑲、⑳番の出口を出る。
西本町駅建設予定地の場所(阿波座1交差点)まで西方向に進んでいく。
一つ交差点をこえる。
ここからさらに5分ほど歩くと・・・
なにわ筋(府道41号線)にようやく到着!
写真は北方向に撮影したもの。
本町からここまで普通の速度で歩いても、5分以上はかかった。
この距離をキャリバッグを引きながら歩くとなると、かなり重労働になるだろう。
なにわ筋(難波方向)。新駅は交差点より少し南側に建設予定だ。
この写真でいえば、街路樹がはじまる辺りの地下が新駅(西本町駅、仮称)建設予定地となっている。
その後、5分ほどさらに西へ歩いて中央線阿波座駅に到着した。
中央線新駅「西本町駅」。距離的には十分作れる
この交差点の下を中央線が通っている
実際に歩いてみるまでは、中央線に新駅・西本町駅を作る案には疑問を感じていた。Googleマップで見れば歩いていけない距離ではないし。
だが現地を歩いてみると、上にも書いた通り、思った以上に遠いことが分かった。徒歩で5分以上かかる。
地味ぃ~に遠いのだ。
中央線・本町駅から西本町駅までの距離は約400~500メートルであり、イメージでいえば加速したと思ったらすぐに減速するぐらいの距離だ(笑)
一般に都心を通る地下鉄であれば、一駅区間が1キロ程度であることが普通だ。
ただ、東京メトロの丸ノ内線には新宿三丁目駅~新宿駅が約300メートルという極短区間があり、今回の距離(400~500m)なら新駅を建設しても全然おかしくないと思う。
大阪メトロと口合わせしている?
筆者は内部の人間ではないので分からないし、確実なことは言えない。
が、大阪を南北に縦断する最重要の鉄道ネットワークを作る際、大阪の地下鉄である大阪メトロと乗換駅の調整をしないはずはないだろう。
大阪メトロやその他の私鉄とスムーズに乗り換えられる構造にすることは、なにわ筋線の利用者アップにもつながる。
そもそも何もなければ西本町という、本町から数百メートルも離れた駅を作るはずはない。
メトロとのアクセスに目途がついたからこそ、この西本町に駅を作ると決めた、と考えるのが普通だろう。
中央線が新駅・西本町駅を作るとは確実には言えないが、そうでなくても歩くエスカレーターなどを設置し、アクセスの改善を図るだろう。
そもそも中央線は夢洲・IRにつながる花形路線
さらに重要なのは、地下鉄中央線は今後、万博とIRの島である夢洲とつながる花形路線になりつつあるということだ。
関空からの導線を考えたとき、なにわ筋線の停車駅であれば、関西国際空港駅⇒西本町駅(乗り換え)⇒夢洲駅というルートが、最も楽ちんに行ける。
さらに大阪の一番といってもいい観光スポットである大阪城は、中央線の森ノ宮が最寄り駅だ。
こちらも大阪城へアクセスするためには最も便利な路線となる。
これは関西国際空港⇒西本町駅(乗り換え)⇒森ノ宮駅(大阪城の最寄り駅)というルートだ。
中央線は大阪を代表する東西(ニシとヒガシ)の観光地と接続しているポテンシャルの高い路線であり、関空からの導線であるなにわ筋線と接続しないのは、逆にどうかしていると思ってしまう。
大阪メトロからは西本町駅での接続についてコメントはないが、今後なにわ筋線の工事が進むにつれて、情報が出てくるのではないかと思われる。
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